気の向いた時の日記

忙しいけど書きたくなったら書く!

お茶の日

今日はお茶を500杯入れた。お茶とは煎茶だ。
地元の祭り、妙見祭の前夜祭、御夜でのこと。
水はわざわざ熊本の名水百選に選ばれた妙見中宮から汲んできた。
わたしはここの水が大好きで、この水を飲むと身体の中が浄化されていくような気になる。
この水をお茶として振る舞ったら絶対にみんな喜んでくれるはず!と思って、20リットル入りのタンク10個も汲んできたのだ。
あまりにも重いので若い子たちに休日返上でお願いし、運んでもらった。

そして、今夜、御夜と言われる妙見祭の前夜祭が始まり、私も言い出しっぺではあるものの、本当にみんな喜んでくれるのかは見てのお楽しみ!と思いつつ振る舞いをスタートしたのだ。
お茶葉の種類は玉露。妙見祭保存振興会会長からの協賛だ。
200年以上続く呉服屋の女将さんから煎れ方を教わりつつも次から次へとお茶を淹れる。
スタートすると同時に人が押し寄せてきた。やはりただのものには群がるのがこの地域の人たちの習性だ。
それにしてもたかがお茶なのに、お茶でもこんなにみんな期待して行列を作ってくれるなんて、少しびっくりした。
しかし、びっくりしている暇はない。
ただひたすらに私はお茶を淹れ続けないと追いつかないのだ。
そうこうしてる間にお湯が足りなくなり手伝ってくれたほかの女将さんが自分の店からあと2台の湯沸かしポットを持ってきてくれて大急ぎでお湯を沸かした。
その間も人は増え続け待っているお客さんは長蛇の列を作る。
お茶は熱過ぎては美味しくない。せっかく苦労して汲んだ名水が活きるように美味しく煎れたい。そのためには六十度ほどに冷ましたお湯で淹れなくてはならないが冷ます暇がない。
熱過ぎてもそこそこ美味しく飲めるように紙コップ半分位の量で配ると、みなさん美味しいと喜んでくれた。
100杯過ぎる頃から要領を得てきてからか、お客さんがおかわりを言ってくるようになった。ありがたい。
そして500杯、淹れ切った。
もう、私は煎茶マスターと言ってもいいのではなかろうか。
お茶の色、温度、量によって美味しさの変わる煎茶を独自に理解できたような気がしている。

振る舞いが終了したのはスタートしてから2時間後。この2時間、私はお茶の事だけを集中し分析し全力で立ち向かった。
終わった時の爽快感たるや半端なかった。

しかし、かの名水はポリタンク7個も余ってしまった。量を計算できていなかったのである。
まあ、明日からどれだけでもこの美味しい水が飲めると思えば、個人的に嬉しいことだけども。
今日磨いた煎茶の腕を錆びつかせないように、今後も煎茶を美味しく淹れることを続けていこう。
なんだか、ひとつ楽しみが生まれたな!