2017-03-18 折々の詩2 うしなう 江國香織 私をうしないたくない と あなたはいうけれど 私をうしなえるのは あなただけよ 遠くにいかないでほしい と あなたはいうけれど 私を遠くにやれるのは あなただけよ びっくりしちゃうな もしかしてあなた 私をうしないかけているの? 30代の頃、この詩の本のタイトルである 「すみれの花の砂糖づけ」 に惹かれて買って読んだ。 思いがけず心と言葉の本質を捉えた詩に 何度も読み返した。